人間は二足歩行できるようになってさまざまな恩恵を手に入れました。手を使うことで脳が刺激され知能が上がりました。それとともに自由になった両手で道具などをつくったり使ったりができるようになり、文明の発達を促しました。

 

その一方でデメリットもありました。それが肩こり・腰痛です。それもそのはずです。脳が発達した現代人の頭の重さは全体重の10%にあたります。それだけの重さを細い首で支え直立姿勢を保っているのですから、首を支える肩の筋肉や、背骨でつながる腰の筋肉には、毎日そうとうの負担がかかっていることになるのです。

 

いまや肩こりや腰痛には無縁という人を見つけるのが難しいくらいです。とくに日本人は欧米人より筋肉量が少ないため肩こり・腰痛が多いといわれています。男性より女性のほうが多いのも同様に筋肉量が関係しています。

 

それだけ多くの人が肩こり・腰痛に悩んでいるということは、その解消方法もいろいろと出回っています。実は炭酸水も肩こり・腰痛の解消に効果的なことがわかっているのです。しかも炭酸水がほかの肩こり・腰痛解消法と違うのは、からだの内と外からスッキリさせてくれることなのです。

 

そこで今回は、肩こり・腰痛に炭酸水がどのように働き、解消してくれるのかをご紹介します。

 

肩こり・腰痛の原因はからだの酸素不足!?

厚生労働省が「平成28年国民生活基礎調査」で行った、病気やケガなどの自覚症状についての調査によると、男性が日頃から自覚症状を感じているからだの不調の1位が「腰痛」。次いで「肩こり」が2位。女性の場合は逆になり「肩こり」が1位で「腰痛」が2位という結果が出ました。

 

もはや肩こり・腰痛は日常生活で切り離せない不調ともいえます。とくに近年は、オフィスや家庭にパソコンが普及し、座って画面を凝視する姿勢が肩こり・腰痛をますます悪化させたようにも思います。

 

それどころかいまやスマートフォンの登場で、場所を選ばす小さな画面を見つめ続ける機会が急増しています。パソコンやスマホなどの利用で長時間うつむく姿勢をとり続けると、「ストレートネック」という状態になってしまいます。

 

ほんらい首の骨(頸椎)は軽くカーブをした状態になって重い頭を支えているのですが、それが真っ直ぐになると頭の重さがダイレクトに伝わってしまい、肩こり・腰痛を悪化させるといわれています。日本人の約8割がストレートネック状態になっているともいわれ、今後ますます日常的に肩こり・腰痛で悩むひとが増えてくると予測されています。

 

肩こりや腰痛がひどくなると、整体やカイロなどに通う人も少なくないようです。たしかにその場ではスッキリできて効果的な方法です。しかし、へたにマッサージをしてしまうと「揉み返し」などでかえって悪化する場合もあります。そうなってしまう理由を知るためには、まずは肩こり・腰痛の原因について理解しておく必要があります。

 

肩こり・腰痛は、スポーツなどで筋肉痛が起こるのと同じく、筋肉の酷使が原因です。ということは肩こり・腰痛の直接的な理由は筋肉に疲労物質が溜まることにあるのです。

 

筋肉の疲労物質は、乳酸という物質がよく知られていますが、通常、乳酸は時間とともに代謝によって体外に排出されます。痛みを取り除くためにはこの乳酸を排出する必要があるのですが、それをしないままマッサージなどを行ってしまうと、固く凝った筋肉がつぶれてしまい炎症させてしまうのです。それがいわゆる「揉み返し」なのです。

 

慢性的に肩こり・腰痛があるということは、この乳酸が溜まったままになっているということです。代謝が盛んであれば、疲労物質は血液やリンパ液にのって体外に排出されます。その代謝を活発化させるためにはエネルギーを生み出す酸素が必要になります。乳酸が溜まるということは、つまり酸素不足で代謝が落ちている状態にあるということなのです。

 

酸素は血液にのって全身に運ばれます。肩こり・腰痛は血行不良が原因とよくいわれますが、それは酸素の不足によって代謝量が落ちるということだったのです。

 

そこで注目されているのが炭酸水の効果です。以下、なぜ炭酸水が肩こり・腰痛に効果的なのかを見ていきましょう。

 

炭酸水が肩こり・腰痛の原因物質を流してくれる

炭酸水には血流を改善する効果があることで知られています。そのヒミツは炭酸水に含まれる二酸化炭素(炭酸ガス)にあります。

 

ひとのからだは酸素を吸い込むと、それを細胞のミトコンドリアという器官でエネルギーに変換します。そのさいに放出されるのが二酸化炭素です。それらの二酸化炭素は血液中に取り込まれ、毛細血管から肺へと送り込まれ、呼気として体外へ排出されます。

 

といっても二酸化炭素はエネルギーをつくり出したあとの残りカスで、何の役にも立たない無用なものかというと、決してそうではないのです。細胞でエネルギー化とともに生み出された二酸化炭素には酸素を細胞に取り込むという働きがあるのです。

 

酸素は血液中に取り込まれるとヘモグロビンという物質と結合します。そのヘモグロビンから酸素を引きはがすのが二酸化炭素の役目です。つまり二酸化炭素の存在がないと酸素は細胞内に取り込まれることがないということです。

 

ひとのからだはムダに二酸化炭素を生み出しているというわけではないのです。酸素は自ら二酸化炭素を産生し、それを自らに役立たせるように機能させているのです。

 

そこで炭酸水を飲んで体内の二酸化炭素濃度が上がればどうなるでしょうか。からだは増えた二酸化炭素を処理しようと血液中の酸素濃度を上げ各部に働こうと働きます。その結果、末梢の血流が増え血行がよくなる、これが炭酸水の血流改善効果です。

 

しかも炭酸水から発生した二酸化炭素の働きはそれだけではないのです。二酸化炭素は血中でヘモグロビンから酸素を引きはがし、代わりに自らがヘモグロビンと結合して肺へと送られていきます。

 

しかし一部はそのまま血中に留まります。そのさい重炭酸イオンという物質に姿を変えるのです。この重炭酸イオンには、筋肉に溜まった疲労物質である乳酸を捕らえ、尿として体外に排出させる働きがあるのです。

 

肩こりや腰痛も、痛みが起こるメカニズムは筋肉痛などと同じです。つまり、この乳酸をスッキリ流してくれる作用が、炭酸水の肩こり・腰痛解消の効果ということです。

 

飲むだけじゃない炭酸泉浴も効果的

以上のように、炭酸水を飲むと血流改善による代謝作用と、もうひとつは重炭酸イオンの働きというダブルの効果で肩こり・腰痛が改善できるのです。

 

しかし、実は飲むだけでなく、いわゆる炭酸泉浴でも肩こり・腰痛改善が期待できるのです。もともと炭酸泉浴は、レジャー目的より先に医療分野で注目されていました。動脈硬化や高血圧症、心臓病などの循環器系に対する治療やリハビリの一環として取り入れている医療施設などもあります。

 

その理由は飲んだときと同じ、炭酸泉の持つ血流改善効果です。肌も呼吸していることは知られていますが、炭酸泉に含まれた二酸化炭素は、当然、肌表面から体内に取り込まれます。

 

その後の働きも炭酸水を飲んだときと同じです。全身の代謝を上げ、重炭酸イオンの産生で肩こり・腰痛の原因物質を取り除いてくれる効果があります。

 

この炭酸泉浴のメリットは、肩こり・腰痛がある患部に直接効くことです。飲んだ場合は、全身の改善のひとつに肩こり・腰痛改善効果があるという点で、少し回り道をするような感じもありますが、炭酸泉浴の場合は、肩や腰など凝った部分に直接、二酸化炭素を届けることができます。

 

市販の炭酸入浴剤でもじゅうぶんに炭酸の効果を体感できますので、まだ炭酸浴未経験のひとは、ぜひいちど体感してみてください。ガンコな肩こりや腰痛には、飲んで内側から、入浴で体外から、からだの内外をケアすることをオススメします!